ヒラリー・バトナム『事実/価値二分法の崩壊』法政大学出版局(2006年)を読む。
いよいよこの本にも高い関心を持てるようになった。
第三章からはアマルティア・センやプラグマティズムの代表格、デューイなどが登場する。
この章では経済学、倫理学、そして政治哲学との接着点、関係性を哲学的観点から学べる。
非常に深いレベルの議論であり、理解するには時間がかかりそうである。
「人は合理的であるには利己的でなければならないか」
という問いに対して、ベンサムの功利主義をあげながら、「合理=快楽」と単純に結び付けることで、現実離れした帰結になることを示している。
経済学、倫理学、哲学、政治と多様な分野を研ぎ澄まされた論理力で横断していくセンは、やはり憧れの的である。
つづく
公開日2022-01-26