つづきを読み終えた。
本書の内容は「読書日記」のカテゴリーに書いてきたので割愛。
僕はエピローグの言葉が印象的だ。
”選挙だけでは足りない” P256
僕も強く思う。
その理由は、上野千鶴子氏の言葉と重なる。
「人の意識は現実から変わる。」
これは、要するに、啓発活動など無意味だということである。
駒崎氏の経験から、保育士の賃金UPや、男性育休取得義務化まで8年以上費やしたことがハッキリ示された。
僕はブログで何回か書いてきたが、社会が変わることは人が変わることではない。
「制度」や「法律」を変えて、「変わらざるを得ない」状況に持っていく必要があるのだと理解した。
それは人類学や歴史、思想、心理学、哲学、生物学などを勉強すればわかる。
心理学でいうならば、「スキーマ」という概念。長期的に形成されていくので、短期間では変わらない。
人間がころっと変わるときはどんな時かを考える。
「個人的なことは政治的なこと」
これはウーマンリブ(Women’s Liberation 女性解放運動)のスローガンである。
政治というと難しいイメージが僕にはあった。
ただ、それは「政治経済」という大きな括りで問題を捉えようとするからであると思われる。
財政がああだこうだ、税金がああだこうだ。
しかしながら、政治判断は常に不確実性を伴うなかでの決断である。
年金制度なども長期的にどうなるのだとか、そんなことまで考えて設計されたものではないことが、よく考えれば分かる。
つまりは、そこまでアカデミックにこだわる必要もない。
政治は難しい、という固定観念が政治活動を妨げる要因になることは否定できない。
困っている市民は、まずは声を上げること、なんらかの行動をすること。これに尽きる。
学者が偉そうにああだこうだ否定しにかかっても気にしない。この本を読めば専門家がいかに無能かが分かる。
困っている人は堂々と叫び声をあげるべきだ。
つづく
公開日2022/1/10