つづきを読み進めた。
今回はノージックの正義観をまとめる。
ノージックはロックの自然状態からスタートさせ、どのような国家体制が最も正義にかなっているのかを考えた。
まず、市民は労働によって生産した財を守るために、結束するだろうと想定した。
それを「相互保護協会」と読んだ。
その後、会員同士の争いを調整する役として、「連邦司法制度」というものができると考える。
ここで「最小国家」が生まれるとした。
この最小国家には、非会員と会員との争いに介入する機能が備わっている。
ノージックは、この「最小国家」こそが最も正義にふさわしい国家体制であるとした。
いわゆる「リバタリアニズム」である。
また、ノージックはロールズを批判した。
ロールズの欠点として、格差原理には個々の才能や能力が考慮されていないことや、分配の仕方に関しては、ロールズの「常にマクロから考えなければならない」という考え方は、ミクロ的には極端な分配の仕方を許容してしまうと指摘した。
かくして、ノージックはリバタリアニズムとして、今日の国家体制に対するアンチテーゼとして重要な役割を担うことになる。
つづく
公開日2022-01-27