つづきを読み終えた。
本書の骨格は前述の通りである。
後半部分の結論を軽くまとめて感想を書く。
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後半部分は格差と経済成長に焦点が当てられた。
ピケティ『21世紀の資本』の結論は有名なので割愛。大事なところは、いかにして格差が拡大していったか、その本質は何かという問いである。
著者によれば、戦後の格差を説明する核は「イノベーション」であるとする。
言い換えると、イノベーションが発生しやすい国ほど、トップ層と中間層の格差がひらいていく。
結論としては、シルバー民主主義をうまく回避し、イノベーションが発生する確率を高めるために教育に投資せよ、であった。
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感想
格差は悪いのかどうか、という議論は不毛である気もする。
しかし、幸福度と生産性について、著者は相関があると示す。
優先順位をハッキリさせるべきだろう。
つまり、どこに焦点を当てることで問題を解決できるかを示す必要がある。
国民の生産性が上がったからといって国の発展にあまり貢献できないならば、著者のようにイノベーションを重視すれば良い。
イノベーションに力を注ぐことで何を犠牲にしなければならないのか。
何かの予算を削減しなければならないとしたら、それは何であるべきか。
かなり入り込んでいて専門性が問われる。
だからこそ面白味もある。
これからもいろいろ考えていきたい。
つづく
公開日2022-01-23