石井洋二郎『フランス的思考 野生の思考者たちの系譜』中公新書(2010年)を読む。
冒頭から「合理主義」「普遍主義」といった、抽象的でよくわからない概念を説明される。
この本は、フランス文学者の成した仕事から、彼らの思考を探ってみようという種類の本である。非常に興味深い。
まずはマルキ・ド・サドの項を読む。
「絶対的相対主義」と書かれているが、今日読んだ限りでは、サドはただのひねくれ者のように感じた。
ちくま学芸文庫『デリダ』を読む。
デリダもフランスの思想家である。
ちくま学芸文庫にしては珍しくイラストが豊富で異例づくしの本である。
デリダの論文は哲学界のなかでもトップクラスに難解と言われている。
本書を読むと、書かれたテクスト(エクリチュール)というものに抗いの意を表明しているように見える。
本書には彼の文章は要約不可能と書かれている。
それは、文字が精神と対照になり得ないということなのだろうか。
文字はあくまで文字。精神は精神。分離しているということなのだろうか。
それを表現してみせたのか。
しかしわかりづらい。
つづく
公開日2022-01-29