こちらのつづきを読む。
今となってはまあ当たり前なのかもしれないけれども、「恋愛格差」は年収と相関性がある。
本書では、年収が高く恋愛経験も豊富な人を「恋愛強者」と呼んでいる。
確かに恋愛は弱肉強食的な要素はある。
僕が高校生の頃はどう考えても「イケメン」がモテた。今も変わらないだろう。
一方で、大人になると今度は大企業、公務員、経営者がモテる。
僕は、27、8歳くらいまではこの謎の現象を深く考えていた。
いったいどうなっているんだ、と。
ある人は、特定の環境において相対的に「強いもの(=イケメン、高収入)」がモテるという恋愛工学なる理論を唱える。たしかに当たっている。あれはあれで説得力があった。そして僕は現実に挫折する。
しかし、それも虚構であることがのちに分かる。
社会学者であれば「イケメン」「高収入」は「記号」と考えて、記号論的に説明するだろう。
生物学者はさきほどの『利己的な遺伝子』を引っ張りだして説明することだろう。
それでも、今の僕にはなびかない。
エーリッヒ・フロム『愛するということ』を読んだことで僕は「自己肯定感」から恋愛の本質がある程度説明できることを理解した。
本書では、恋愛強者には「自己肯定感の強い人」が多いとする。
これもこれで、ひとつひっかかかる。
要するに、「ステータス」を自己肯定感の拠り所にしている人は、精神的にまだ未熟である。それはフロム氏の本を読めばよく分かる。
「イケメン」「高収入」が虚構であるということは、僕のなかではフロム氏によって論駁されている。
皮肉なことに、本書では「恋愛に興味ない」と答えている人は多変量解析によって、実は自己肯定感が低いことが示されたことを指摘している。
まずは社会のあらゆる虚構に気づく。
話はそこからではないか。
つづく
公開日2022-02-03