中川淳一郎/山本一郎/漆原直行『読書で賢く生きる。ビジネススキル探しを超えて』ベスト新書(2015年)を読む。
久しぶりにビジネス本を批判する新書を発見した。(斎藤正明『自己啓発は私を啓発しない』を買ったのはだいぶ前であった。)
Twitterで「オレ、読書めっちゃしてます!!!!」とアピールしている人の大半は自己啓発にハマっている。僕もそういう時期があったので昔の自分と重ねる。
僕も2016年頃には病的なほどその類いを読んでいた。
ホリエモン、藤田晋、勝間和代、見城徹、楠木健、苫米地英人、前田祐二、西野亮廣、ロバートキヨサキetc.
起業に関する本、お金に関する本なら何でも読んだ。
風呂でも読んで、そのままアルミ製の棚に置いてカビさせた。
新卒で超絶ブラックのホテルに入ってしまった僕は、こういう本に刺激され、のちに転職を繰り返して多少ホワイトな事務職と年相応の年収を手にすることにはなった。
今思えば、余計なプライドが肥大化してそのまま突き進み、挫折をしたものの、最後には読書欲だけは残った気がする。
そして、読書という営みの楽しさは自己啓発本から学べたような気はする。
ただ、僕の場合は本当に読書にのめり込むようになってしまい、読書の目的が変わってしまった。
今はほとんど自己啓発を買わなくなってしまった。
それでも、知っている人が書いた面白そうな本であれば買う。
なんとなく気づいたのは、自己啓発は買わせることが著者と出版社の目的で、ビジネスである以上、そこにはなんらかのカラクリがあるということだ。そこに真の啓発はない。
つづく
公開日2022-02-04