つづきを読み進めた。
率直な感想としては、まず考察に非の打ち所がないソクラテスの証明法に驚愕。そしてそれを書き残したプラトンの理解力、記憶力に驚愕。
「徳は教えられるものか」
プロタゴラスは「教えられる」
ソクラテスは「そうではない」として議論が進む。
結論としては、徳は「知」であるので教えられる、という内容であった。
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個人的に、この本はソクラテスの核を成しているようにもみえる。
つまり、「無知」が何をもたらすのかについて否応なく示されていく。
池田晶子氏と同じことを言っている。
人は自ら悪いことはしない。
これを、ソクラテスは「快楽に負けて不幸になる」という例を持ち出して説明する。
快楽自体は善である。なぜ不幸になるのかは、やるべきことを快楽に負けて怠ってしまうことから不幸になる。この話をソクラテスは絶対に否定できない例を立て続けに示しつづけ、結果的に無知であるゆえに人は快楽に負けると証明する。(突き詰めてみたい方はご拝読を)
勇気についても突き詰めていく。結果としては「知恵」があることが勇気であるとソクラテスが証明する。(ここも納得いかない方はご拝読を)
そして徳をなす「敬愛」「正義」「勇気」等が全て「知」で成り立つことを明かす。
最後にはプロタゴラスがソクラテスを称賛し、幕を閉じる。
何千年も語り継がれる理由が分かる気がした。
つづく
公開日2022-02-15
補足:知は教えられるものであるが、やはり「考えるということ」を教えるのは難しいのではないだろうか。
これが、真理を教えることはできないと考えたひとつの理由なのかもしれない。