こちらの本を読んで、資本主義を疑うという、常識外れの思考をしばらくしてみようと思うに至った。
「日本だけが成長していない」という発言がよくSNSやネットニュースで流れるが、よく調べてみるとそうでもない。
「GDP 成長率 ハンガリー」や「GDP 成長率 オーストリア」を検索してみよ。
イタリアでもいい、スペインでもいい、ポルトガルでもいい。
調べることの重要性を再認識した。
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小室直樹は資本主義と民主主義は相性が悪いということを書いていた記憶がある。
『危機の構造』をまだ読めていないが、「アノミー」はおそらく「失われた30年」の根本的な原因なのだと思われる。
しかしながら、宗教社会学的にはそうなのかもしれないが、第三次産業がますます増加していく資本主義においては、そろそろ国民が生産を通して豊かになっていくという神話が崩壊しているのではないかと思えてくるのである。
普通に考えて、不必要と思われるサービスが少なくない。「需要があるから必要なんだよ」という考えは短絡的すぎやしないだろうか?
不必要という表現がおかしいかもしれない。
悪く言えば、「情報弱者」が搾取されていくようなサービスである。(不必要な手数料など)
いったんメモを書いていきたい。
“低収入者への援助というこの制度の目的ゆえに、フードスタンプはアメリカ国内でもっとも正確な貧困指標のひとつとなっている。(・・・)ドナルド・トランプは二〇一六年の選挙活動のさなか、ことあるごとに四三〇〇万人のアメリカ人がフードスタンプを使っていることをあげつらった。” P41
⇒2007年は二六〇〇万人がフードスタンプを使用していた。増加している。
“「失われた一〇年」という言葉は、以前はイタリアや日本の例外的な経済情勢を言いあらわすのに使われていたが、現在はますます多くの国々に用いられるようになっている。” P43
⇒ハンガリー、オーストリア、ポルトガル、スペインは2007年より生産性が下がっているとされる。
無意識的にニュースを見るのは危ないと思う。
なにか意図があって流されているニュースもなかにはあるはずだ。
日本の政治があまり良い流れにはないことは事実かもしれないが、政治のせいにするのではなく、ひとりひとりが正しく情報を整理し、正しく行動するだけでもだいぶ変わるはずなのだが、そこは難しいかもしれない。悔しくもある。