松岡正剛『物語の函 世界名作選Ⅰ 千夜千冊エディション』(2020年)を読む。
この方の文体を、構成を、リズムを、運動を僕は盗みたい。
読んで思うことはただひとつ。
尋常じゃない引き出しの数をこの方は持っている。
今日はフローベール『ポヴァリー夫人』、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、ゾラ『居酒屋』、フランソワ・ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の項を読む。
今読んでいるドストエフスキー『未成年』の図解をネットで調べてみた。
蜘蛛の巣の如く、とんでもない数の線が無数の人物と繋がっている。
未成年でもこんなに複雑なのか、と思った。
僕が思うに、この方のレベルになると小説というものを図で理解していると踏んでいる。
そして、その図を今度は別のものと比較する。
こういう作業を膨大にこなしていると思われる。
骨の折れる作業だ。
だが、僕はこういうことを日々こなしているとしか思えない。
図を図で説明し、新しい視点からまた新しい図ができあがる。
多読の醍醐味だ。
つづく
公開日2022-03-07