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読書日記215

雨宮処凛『この国の不寛容の果てに : 相模原事件と私たちの時代』大月書店 (2019年)

雨宮処凛『この国の不寛容の果てに』のつづきを読む。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/21/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98213/

  

本書で、古市憲寿氏と落合陽一氏が対談で、「日本にはもう財源がないので終末期医療はやめなければならない」という意見が交わされていたことが紹介され、僕はゾッとした。

この対談でその意見に至るまでの文脈が分からないうえ、加えてそれぞれお二方がどんな思想や価値観を持っているのかは分からないが、個人的には二人は一線を越えている。そんな印象を受けた。

  

想像力の欠如というよりかは、功利主義のような、個人の幸福よりも全体の幸福を絶対的に優先すべきであると考えているようにみえる。

感情と人を切り離し、どこまでも理性的かつ合理的でいようとするこのお二方には賛同できない。

しかしながら、「知識人」というこの言葉。

この言葉にも責任はないだろうか。

  

権威を持たせて誤った考え方を世の中に浸透させてしまう可能性がある。

とはいえ、意見を言うのが仕事であるからにはハッキリと物を言わなければならないのも彼らの責務。

このジレンマに僕は苛立ちを感じる。

つづく

公開日2022-03-27

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