ダニエル・サスキンド『AI時代の新「大きな政府論」のつづきを読み進める。
AIと教育に関する章を読んだ。
アメリカのある経営者が、教育の無価値性を鑑みて、「大学に進学しない、もしくはを中退する者に10万ドルを支給します」とメッセージを出し、何人もの学生が中退して話題になったみたいである。
教育に対する価値観はアメリカと日本ではやや異なるように僕は感じる。
トップをつき走るアメリカの経営者たちは、ビル・ゲイツやイーロン・マスクのように大学中退者が多いことが挙げられた。
この時代において学問に果たして価値はあるのか。
著書は、それでも大卒者は相対的に賃金が高いとする。
しかし、これは脱落変数バイアスの可能性もあるとされる。
大学は必然的に優秀な人が集まるため、そもそも大学の教育自体には賃金が上がる要因は無く、能力や才能によるものではないか、という見方だ。
これにはある程度個人的にも同意できる。
日本の大学受験は能力を示すためのイベントである向きもある。
つまり、「生涯学習」の意義が損なわれる恐れがある。
教育の質が問われる。
本書によれば、この脱落変数バイアスに関する研究が足りていないみたいである。
この章を読み、個人的には教育とAIについて新たな視点が生まれた。
AIは人の能力をエンパワーメントするものもある。
それはどんな技術だろうか。
私たちはこれから何を学ぶべきか。
これを考えることは大事だ。
つづく
公開日2022-03-29