佐藤郁哉『大学改革の迷走』ちくま新書 (2019年) を読む。
今月は政治哲学や経済についていろいろ思いをめぐらせてきた。
ダニエル・サスキンド氏の本に刺激され、僕は教育に何か可能性を見出せないかと考え、まずは今日の大学事情を把握することに努めようと思った。
福沢諭吉は単に西洋の真似をすることに意義を唱えた。
現代の日本における大学の問題点として、教育にはそんな「真似」がいくつも存在する。
まず著書は自身の経験から日本のシラバスを批判する。
シラバスは講義を担当する講師による授業計画の集積物である。
アメリカは特にルールはなく、担当する人間がそれぞれのやり方で作成しているが、日本では画一的で味気ないものとなっている。
そのせいで書きたいことが書けない。そんな問題点がある。
日本の国民性なのだろうか。
「とりあえずみんなやってるから、、」
シラバスの普及率は1995年から年々上昇。
シラバスは電話帳並みに重たい物であった。
それを編集、制作する労力は無駄となったとされる。
日本の大学は世界と比べてレベルが低く、優秀な人材はオックスフォード大学等に流れていく。
そして年々上昇する学費。奨学金問題。
日本の教育は課題が多いと気づかされた。
つづく
公開日2022-03-30