閉じる

読書日記237

中島義道『人生を<半分>降りる 哲学的生き方のすすめ』ちくま文庫(2008年)

  

中島義道『人生を<半分>降りる 哲学的生き方のすすめ』ちくま文庫(2008年)を読む。

本書では哲学を「反社会的」と位置付ける。

中島氏は、人間が皆哲学的になれば社会は成り立たないと述べる。

僕はこれとプラトン『国家』について考えてみた。

  

    

仮にイデアが存在して、人間がイデアに沿った善い生き方を実践するとどうなるか。

僕は、機械的で画一的な社会になってしまうと感じる。

イデアには多様性がなく、一元的な概念だからである。

哲学は危険な思想でもある。

    

哲学は個人のためにあって、全体のためにあるべきでない。

しかし妙な気持ちになる。

個人個人の集まりが社会であって、哲学はその構成員のためにある。

上野千鶴子氏でいうならば「社会のノイズ」かもしれない。

完璧に綺麗な空間は気疲れする。

哲学はそんな綺麗な空間を、人間に居心地の良さを与える塵なのかもしれない。

つづく

公開日2022-04-01

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *

© 2024 ラボ読書梟 | WordPress テーマ: CrestaProject の Annina Free