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日記
潮匡人『日本人として読んでおきたい保守の名著』PHP新書(2011年)を読む。
保守という言葉はなんとなくわかったつもりではいたものの、もう少し知りたいと思い読むことに。
本書はPHP新書15周年の企画で発案されたものであり、長い時間をかけ入念にどの本を取りあげるか選別された。
そのうえでバーク氏が一発目に出てくるということは、それだけに値する人物であることを意味すると思われる。
第一章はフランス、エドマント・バーク『フランス革命についての省察』を扱う。
この本は近年、光文社古典新訳文庫から新しい訳が出ている。中型以上の本屋さんであればすぐに入手できると思われる。
著者によれば、イギリス元首相やアメリカのたジョージ・W・ブッシュ元大統領もバーク氏を尊敬し、彼の本を読み込んできたという。
世界ではバーク氏よりもマルクスが歓迎された。
日本においてもマルクスに関する本は膨大にある。
バーク氏はマルクスを「詭弁家」と批判した。余談にはなるが、池田晶子氏もマルクスはヘーゲルを理解していないと批判する。
彼の思想を端的に表す文は以下の点であると思われる。
“保守しながら同時に改革すること”
“何らかの変更の手段を欠く国家は、自己の保存のための手段を持たない。”
バークは、保守というものは時間的な制約が必要であるという、「時効的憲法」を唱えた。
著者は、公訴時効撤廃はこの概念に欠けることから「保守の敗北」と表現した。
以上、バークの基本的な部分をさっと学んでみた。
「保守とは何か」と聞かれて分からない時は、本書を読んでみることをおすすめしたい。
つづく
公開日2022-04-05