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神代健彦『「生存競争」教育への反抗』読了

   神代健彦『「生存競争」教育への反抗』集英社新書 (2020)

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こちらを読み終える。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/27/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98265/

  

端的にまとめると、経済的に行き詰まった日本を打開するには「教育」しかない、と考えている政治家や官僚が少なからずいる。

現代の教育理念はイノベーションを日本に起こすため、「小さな起業家」を育てるためのものとなっている節があるというのが著者の見立てである。

  

しかしながら、マクロ的に経済をみると、現在は需要不足であり、供給過多になっているとされる。

イノベートしたところで需要が上がらなければ当然、景気が良くなることはない。

著者は供給力を底上げしようとしている教育観に批判的である。

  

著者は文化経済に触れ、「それ自体が目的であるもの」の消費が大事であると主張する。

個人的な解釈では、著者は人間にとって本当に必要な価値に対する感覚を持つことが究極的な教育のゴールであると主張しているように思われる。

それが今日の倫理的問題を解決する力になる。

   

以上、抽象的で込み入った論考をさっと読んでみたが、本書ではルソーの『エミール』を最も重要な古典と位置付けていることから、時間のある方はこちらも読んでみることをおすすめしたい。

つづく

公開日2022/4/7

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