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日記
酒井敏『京大的アホがなぜ必要か』のつづきを読む。
前回の記事で、独立行政法人化に伴い日本の論文数が減ったと書いてしまったが、正確には「世界シェア」の論文数が減ったということであった。ひとつ訂正したい。
著者によれば、競争の原理が働くことによって「無駄な研究」が追いやられ、結果的に日本の競争力は落ちているのではないか、という見解である。
また、バブル崩壊前の社会現象に関しても触れられ、企業が無駄な投資を気にし始め、結果的に皆おなじような「不動産」投資に手を出してしまったことからバブルが弾けたとみる。
要するに、競争の原理が働くと「選択と集中」が発生する。
カオス理論が示したような不確実性に対して、人間は不安にフタをしたくなる心理が働く。
それが「役に立つと思われる」行動の動機付けとなる。
しかしながら不確実性には抗えず、マクロ的には「選択と集中」の原理が働くというお話であった。
今、自己啓発や副業が隆盛しているが、これも大局的に見ればおなじだろうと察しがつく。
「オレは違う」
と思い込んで結局は皆おなじことをやっている。
これがシュールで面白い。
つづく
公開日2022-04-13