■株式会社筑摩書房
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日記
ジョン・ロールズ『政治的リベラリズム増補版』筑摩書房(2022年)を読む。
公益とはなにか、というテーマをこの一週間ちびちびと考えつづけてきた。
そして、次にはやはり公共哲学へと迂回する。
ジョン・ロールズの原理は「公正な請求権」「公正な機会平等」等に集約されるが、その判定方法を厳密に説明しきれていないのではないか、ということを本人は『正義論』執筆後に感じていたと書いてある。
素人ではそのことについて判定することは不可能だが、僕は偉大な人物の考え方を学ぶためには読む価値があるとみている。
では何故説明しきれていないのか。
それは物質が原子→素粒子と、どこまで辿っても実態が掴めないことと似ている。
何を持って「格差」とみなすのか。
何をもって格差は正当化されるのか。
格差はどこまで許容されるべきか。
かくして、正義は民主制においては「法」「規範」「自由意思」等、あらゆるものが相互作用しながら複雑性を帯びることになる。
公益というものについては、いよいよ結論は出せないかもしれない。
だからこそ考えつづけるべきではないだろうか。
つづく
公開日2022-04-14