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日記
『チャールズ・テイラーの思想』
本書を初めて手に取って読んだのは今からおそらく3年くらい前だと記憶している。
当時の自分はたしか、Youtuberのラファエル『無一文からのドリーム』を読んでいて、そのなかで「マイケル・サンデルの本が面白かった」と書かれていて、「本は役に立たないが、人生を豊かにする」とも書かれていたのを記憶している。
そこで触発されてサンデル氏の本を読み、いくつかの政治思想に関する本を連鎖的に読んでいた。
その過程のなかでチャールズ・テイラーという人物を知った。
しかし本書は当時の自分には全く歯が立たなかった。何が論じられているかすら理解できなかった。
その当時を振り返れば、今は成長したと実感する。チャールズ・テイラーとマイケル・サンデル氏は、思想的に共同体主義(コミュニタリアニズム)として、同じ立場にある。また、宮台真司氏によれば、この考え(共同体的徳という概念を持ち出す点)は、小室直樹の「社会学主義」と似ているとされる。この考えはアメリカの3極のなかのひとつで、残りはリバリアニズムとコンサバーティブとなっている。また、「カントの義務論 VS ベンサムの功利主義」という、道徳哲学の地図が頭に入れてあるので、本書に必要とされる最低限の予備知識はなんとか吸収できたと、自分で言うのもなんであるが感じた。
チャールズ・テイラーは道徳哲学の「何が正しいか」と問う態度を批判。
それは一面的で、狭く、それ自体善であることに対する考察が抜けているとテイラーが考えていることが理解できた。
しかしながら、テイラーの射程範囲、構想の広さは普通ではないので、本書の考察の流れがまだあまりつかめないでいる。
時間をかけて少しずつ読んでいきたいと思う。
・・・
『ルールに従う:社会科学の規範理論序説』
今日読んだことをいっきに書いておきたいが、時間と体力がやや足りなくなってきたように思うので、ざっくりと吸収できたことと考えたことを書き残したい。
本書はチャールズ・テイラーとは少し方向性が違うかもしれない。
というのも、「誰もが納得できる倫理というものの性質を客観的に示す試み」が本書のテーマとなっているからである。
チャールズ・テイラーはどこか流動的で柔軟な発想だと感じたが、ジョセフ・ヒースという人物はどこか合理的で客観性を重視している向きがあるように感じた。
ただ、それはただの第一印象にすぎず、最後まで読まないと分からないことは無数にある。
本書の前半はホッブズの仕事を先に進め、「選好」と「効用」の観点から「なぜルールに従ったほうがいいのか」という命題について、その根拠づけをしていくながれとなっている。
少しずつ話が数学的、論理的になっていき、頭がヒートしてきたあたりでいったん本書を閉じた。
こちらも時間をかけて少しずつ読み進めたい。
欲を言えば、タルコット・パーソンズの本やデュルケームの本ももっと読んでいきたい。
時間があまりにも足りない。
つづく