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日記
松岡正剛『編集力 千夜千冊エディション』のつづきと、
ポール・ド・マン『美学イデオロギー』平凡社ライブラリー (2013年) 、
柄谷行人『柄谷行人対話篇Ⅱ』講談社学芸文庫(2022年) を読む。
私はこの3冊に共通するあることを発見する。
まず、『編集力』においてタルド『模倣の法則』が取りあげられる。
19世紀の古典ながら、時代の先を行きすぎて当時は評価されず。
この本では「すべてのものは発明か模倣かにほかならない」と書かれており、社会そのものが模倣であることを示唆する内容であった。
松岡氏もこの本に大きく影響されたであろうと個人的には感じている。
ポール・ド・マンはベルギー生まれの哲学者である。
フランス哲学者、J・デリダの手法を「真似」することで活躍し、自身のテクスト分析に生かすことができたとされる。
この本の第一章は「メタファー (隠喩) の認識論」で始まる。
知識の伝達について以下を引用する。
” [ 言語によっては知識を伝達することができないという ] きわめて重大な想定がなされているため、<メタファーはじつは何らかの認識を例示しているのではないか>とか<ひょっとすると認識はメタファーによってかたちづくられているのではないか>とかいった考えが、ここで浮かぶことになるのである。” P92
偶然にも、柄谷氏の本に「知識の伝達」について書かれていた。
柄谷行人氏は、木村敏氏との対談で、教育について語る。
柄谷氏は、柳田國男が「学ぶは真似ぶ」と言っていたことを提示し、知識の伝達は「真似」にあることを話す。
学校の教室で、学ぶ側が「分からない」というときは、話し手が知識を「語っているだけ」だということである。
話し手と聞き手との非対称性。
学習とは他者と自己が「対称」になることであると感じさせられた。
以上から、この3冊には共通するのものが見出されたのである。
つづく
公開日2022-04-24
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関連図書
ポール・ド・マンを指導教授にもつスピヴァクの本