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日記
池田晶子『私とは何か さて死んだのは誰なのか』講談社 (2009年) を読む。
格差社会と幸福に関して池田氏は語る。
2000年代はオリックスと近鉄が合併した。
そして新しい球団をめぐって、楽天とライブドアが争った。
当時、私は小学生でそのことは鮮明に覚えてる。
元近鉄、中村紀洋と女優、優香のCMを思い出す。
このエッセイはそんな時に書かれたものである。
自分で考えない人は他人の価値観に振り回される、と池田氏は言う。
個人的に思うのは、考えても振り回されるときはある。それは考えが足りないからなのだろうか。そうかもしれない。
池田氏は、子供の夢が「お金持ちになりたい」となっていることに「世も末だ」と言う。
足るを知る人は「上品(じょうぼん)」で、知らない人を「下品(げぼん)」であると述べる。
「幸福とは何かを一度自分でしっかりと考えることです」と言う。
ラカンを再度、想起する。
「無意識とは他者の欲望である」
これが仮に正しいのだとして、タルド『模倣の法則』で示したような法則が働いているのだとしたら、自分がしていることは、深いレベルで本当に「自分がやりたいこと」なのかどうかを疑いざるを得ない。
読書をしていると、度々このように自分を内省することがある。
自分で考えるにしろ、その言葉はある意味「借り物」でもある。
困った。
いよいよ、「私とは何か」という、この本のタイトルと同じ状況になってしまう。
しかし、嬉しいことに、その「一致」によって私は孤独ではないことを実感する。
つづく
公開日2022-04-30