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読書日記360

クリストフ・リュトゲ『「競争」は社会の役に立つのか:競争の倫理入門』慶應義塾大学出版会 (2020年)

■慶應義塾大学出版会株式会社

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日記

クリストフ・リュトゲ『「競争」は社会の役に立つのか:競争の倫理入門』のつづきを読む。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/05/07/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98358/

   

「日本の読者へのQ&A」を読む。

翻訳者が著者へインタビューをした。

何故哲学を学んだのか。

何故経済倫理を研究対象としたのか。

著者はラッセル『西洋哲学史』を買ってもらい読み込んでから哲学に目覚めた。

日本においても1万円弱と高価である。

また、著者が学生の頃にも反資本主義者が多くいたが、著者としては根拠に欠けることを察していた。

かくして、彼の好奇心は哲学と経済を横断する。

本書を吟味するにはカントやヒュームなどの哲学的知識や、ホッブズやルソー等の古典的政治思想の基礎知識が求められる。

これは端的に、難儀である。

本書を批評するには力が足りないことを痛感。

ただ、時代がイノベーションを求めていることには共感する。

   

最近は、個人的な立場としては「成長派」を支持しつつある。  

理解できる範囲で、まず10冊ほど「脱成長派」の論理と「成長派」の論理を軽く網羅し、あとは自分の直感や政治的なことも判断材料として整理すると、「脱成長派」にはやや懐疑的になりつつある。

近年は「優しい暴力」という言葉が生まれている。

何事にも懐疑的である私は、SDGsは欧米中心主義であるという見方を捨てきれない。

いわゆる「第三世界」といわれる国々の開発を巡っては様々な問題があると思われる。

もうひとつの「優しい暴力」であるようにみえる。

そして先進国による政治的な思惑も払拭しきれない。

時間があるときにゆっくりと考えてみたい。

つづく

公開日2022-05-03

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