■一般財団法人 法政大学出版局
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日記
バーナード・レジンスター『生の肯定:ニーチェによるニヒリズムの克服』法政大学出版局 (2020年) を読む。
今までいくつかニーチェの著書をかいつまんでみた。
『悦ばしき知識』
『ツァラトゥストラ』etc.
しかしながら、ニーチェの言っていることは難解であり庶民には伝わりにくい。
そんなニヒリズムを体系的に説明してくれる本が本書である。
序論から少しずつ読み進める。
「ニヒリズム=価値の否定」
という、単純な話ではないことが分かる。
読んでみると、自由意志と関わりのあるお話であることがみえてくる。
カントは、根源悪は自然法則によって働くとした。他方で、道徳の原理を「道徳法則(=定言命法)」として位置付けた。
しかし、ニーチェはこの定言命法を否定した。
それが「目標」と「達成」の話に繋がっていく。
目標は偶然に左右される。
人生という場に偶然というものを排除することはできない。
地震や台風を人為的にコントロールできるはずはなく、必ず偶然の要素が入り込む。
自由意志について考える。
本書には、「客観性」というものにニーチェは懐疑的であったことが書いてある。
明日、詳しく調べ直すが、個人的な解釈によれば、前に記事にしたことと同じようなことを言っているのだと理解した。
客観性を疑い尽くせば「自然法則」と「道徳法則」の区別をつけることはできない。
自由意志がないのだとすれば全ての行動は無機質的で、作業になる。
「目標」という言葉には意味がなくなる。
目標の無価値性。
つづく
公開日2022-05-09