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日記
モーリス・ブランショ『カフカからカフカへ』のつづきと、
フランツ・カフカ『城』のつづきをよむ。(読書日記424に収録)
ブランショは、カフカが無意味なものを意味付けたと語る。
確かに、カフカの小説は何気ない日常の細かな出来事が延々と語られる。
ありきたりな感想かもしれないが、私が本書を読みながら、何故ここまで日常の細かな描写を強調しているように感じたのかというと、いうまでもなく現代社会の時間の流れかたが、非常に無機質で空虚なものだとカフカが強く思っていたのだからかもしれない。
ブランショが述べたことは、日常生活の無意味性を価値化する試みを、小説を通してカフカが表現したということなのかもしれない。
小説ではわずか1分の出来事を、読み手としては1時間のように感じることができる。
無意味に時間が過ぎていく感覚を、小説のなかでは無効化することができる。
そのように感じながら、私は『城』の中で延々とつづく内輪話を読んだ。
つづく
公開日2022-05-25