■株式会社白水社
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日記
アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』のつづきを読む。(読書日記423に収録)
モーリス・ブランショ、アラン・バディウ、ルイス・ボルヘス、ベンヤミン。
主人公は複数の思想家や文学者の言葉を引用する。
初めて読んだ頃はこれらの名前を知るはずもなかった。
それほどに私は無知であったが、二回目の読書でようやく拾うことができた。
これは率直に嬉しい。
多読の醍醐味を味わうことができた。
“「文学は世界に向かって光を送り返す、過去の残滓だ。」” P115
この表現には痺れた。
ブラックホールのように虚無で、あらゆるものを無価値化するニヒリズムの世界に対抗できる力は文学にあるという、壮大な哲学的表現だと感じた。
最初から最後までこのような哲学的な要素の多い本書は、私にとっていよいよ死ぬまで手放せない本になろうとしている。
つづく
公開日2022-05-26