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日記
松岡正剛『本から本へ』のつづきを読む。(読書日記465に収録)
本書の内容としては、愛書狂や図書館の歴史等、とにかく「本から本へ」というタイトルにふさわしい様相を呈している。
「メディアは編集される」
松岡氏が千夜千冊を始めた理由が本書で軽く語られていた。
1990年代は松岡氏にとって最悪の時代だったと語る。
松岡氏によれば、ポストモダン以降の批評になにか思うところがあったみたいである。
文脈を追う限り、落胆に近いのかもしれない。それが具体的にどんなものであったのか、当時のことをほとんど知らない私には現代段階では知ることはできない、
装丁の拘りについてもいろいろと語られる。
個人的に、編集という作業に携わった経験などないので、本がつくられる細やかな行程には全く無知ではあるが、いち消費者として本のデザインにはある程度思うところはある。
売れる本は往々にしてデザインも優れているように感じる。
そして、個人的にはデザイン性の無い本は読みたいとは思えない。
本は内容が全てではないということは素人なりにも思うところはある。
そういう意味で、日本語でいう「創発」、心理学でいう「ゲシュタルト」と本は無縁ではないように思う。
部分の総和が価格以上のものとなった時に本は売れるのではないだろうか。
だからデザイナーや編集者、その他本に携わる人々はそこに全力でぶつかる。
本が電子化されるとこの創発性が著しく欠けるのではないかと個人的には思う。
だからまだアナログの書店は健在なのだろうと思わずにはいられない。
つづく
公開日2022-06-07