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日記
プラトン『法律 (下) 』のつづきを読む。
312項まで読み終えた。
今回の記事では「神」という言葉が多用される。
このブログが宗教性を帯びてくることは避けたいので、プラトンは宗教について語っているのではなく、神はほぼ「自然」という言葉に置き換えられるということをここで添えておきたい。
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そもそも何故プラトンは神の存在証明と物体の運動について語っているのかを再度軽く書き残したい。
243項に端的に表現されているのでそのまま引用したい。
“「法律の命ずるとおりに神々の存在を信ずる者で、自らすすんで不敬なことを行ったり、また不法な言葉を吐いたりした者は、かつて誰ひとりいないのである。もし誰かそういうことをする者がいるとすれば、それは彼が、次の三つの誤った考え方のうちどれか一つにおちいっているからである。すなわち彼は、いま言われたように、神々が存在するとは考えていないか、あるいは第二に、神々は存在するけれども、人間のことを気づかってはくれないと考えているか、それとも第三に、神々は犠牲や祈願によって心を動かされるから、機嫌をとりやすいものであると考えているか、そのどれかなのである。」”P243
前回、神々が存在していないと考えている人間を説得するため、プラトンは神の存在証明を物質の運動から説明した。
今回の記事では第二、第三、についてまとめたい。
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第二の命題は、端的に言えば「神は宇宙全体における物事の細部に至るあらゆる出来事を把握しているかどうか」についてである。
結論としては有り得ない、とプラトンらは導いた。
プラトンは人間の能力に着目した。
大工や医者等、小さな仕事を無視していては全体の仕事がうまくいかないような仕方で、小さな出来事を無視して大きな出来事のみに関心を持つような考えを神(≒自然)は到底受け入れないだろうと考えた。
神(≒自然)は全体を部分のためにつくっているのではなく、部分を全体のためにつくっているとプラトンは主張した。
第三の命題に対してプラトンは「神は買収され得るか」ということを吟味して、有り得ないことを説明した。
神(≒自然)は万物の支配者であり、人間は決して神(≒自然)に近づけない存在であるという前提で、まず小さな支配者について考えた。
この説明の要約は難しい。
個人的に解釈すると、いままでの文脈をたどれば不正とは「秩序がない状態」である。
買収とはいわば「不正行為」であって、これが自然界のなかにみられるものなのかということを考えると、有り得ないと推察される。
従って、人間を遥かに超えた存在である神(≒自然)がそのようなことをするのは到底考えられず、第三の命題に関しては神は買収され得ないという帰結になる。
以上、神(≒自然)に関する命題が全て説明された。
つづく
公開日2022-06-10