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読書日記545

矢倉英隆『免疫学者のパリ心景 新しい「知のエティック」を求めて』医歯薬出版(2022)

■医歯薬出版株式会社

公式HP:https://www.ishiyaku.co.jp/

公式X(旧 Twitter ):https://x.com/ishiyaku_eiyo

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メモ

省略

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日記

本書には、仕事に翻弄されて人生について深く考える時間がなく、また、科学はその問いに答えるものではなかったと書いてある。

科学は客観的であり過ぎる。

客観的でないものは科学ではない。

しかし、人間の生のもっとも大事な部分、「人生にとって大事なこととはなにか」「生きるということはどういうことか」という問いについて一切触れないこの科学という領域にはなんともいえない異質性を感じる。

・・・

フランスではベストセラーなるものが無いそうである。

本の売り上げを占めるのは、4~5冊しか売れないようなものだという。

つまり、あらゆる人々がそれぞれ異質な本を読むということであった。

日本とは対照的である。

日本はとにかくベストセラーに殺到する。

店頭に積まれるのはその類いであり、ほぼ全てのチェーン店の入口にはその類いの本が置かれ、あまり読まれない本は奥にある。

多様性と言いながら、行動の原理には多様性がないのが日本だと個人的には思う。

宮台氏の言葉をそっくりそのまま借りれば、ネオリベラリズムによって日本人は平均すれば「言葉の自動機械化」「法の奴隷化」「損得マシーン化」が進んでいるように思う。

https://nainaiteiyan.hatenablog.com/entry/2022/07/28/172835

  

「婚活」は損得マシーン化の典型的な例である。

フランスではデモが頻繁に行われるそうであるが、それも日本とは対極にあることを示すものとなっているようにみえる。

フランスの精神を学んで損はないように思う。

公開日2022-07-28

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