■株式会社ゲンロン
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日記
映画に関する本を最近あまり読んでこなかったので、宮台氏以外の人が書いたものを読んでみようと思った。
宮台氏は社会学者なので文脈は必然的に社会的なものとなっているような印象であった。
(『崩壊を加速させよ』)
別の文脈からの映画論を読んでみたい。
本書は正直やや難解な内容となっている。
ラカン派精神分析理論に依拠した視覚理論や哲学者メルロ=ポンティの理論も挿入されている箇所があり、1時間ほどの読書時間では到底、第一章の内容を掴むことはまともにできなかった。
唯一把握できたポイントは、技術の発展により映画が「アニメ化」していることだった。
(本書には「すべての映画はアニメになる」という言葉が引用されている)
フェイク映像が誰でも作れるようになった現在、流れている映像は本物なのか、加工されているのかということが分からなくなってしまった。
加工という観点からは、そもそも加工でしか成り立っていないアニメが映画よりも上位に位置しているため、すべての映画はアニメになり得るというものであった。
しかしながら、そんなことは映画の「内容」とはあまり関係がないように思う。
本書の分析は複雑ではあるが、見るもの、見られるものの対象について深い考察がなされているものなんだな、という感じた。
映画と哲学が合体したような書物となっている。
公開日2022-07-31