■株式会社晶文社
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読書日記567は不本意ながら、ブログ内での誤操作(記事を修正しているときに、空白の状態で更新してしまった)で完全に消えてしまった。
空白のままこの記事を公開するのも悲しいので、2024年5月27日現在、この本に思うことを少しだけ書いてみようと思う。
「みんな政治でバカになる」のタイトルには少なくも二つの主旨がある。
・挑発的なタイトルのほうが本を手に取ってもらえるという、著者の思惑、背景がある
・より正確には、政治というシステムのなかでは「三人寄れば文殊の知恵」の逆の現象が起きる
49%が優秀で、51%があまり優秀でない社会の場合、後者が票をより集めるので結果的に政治は悪い方向へと向かう。
実際には49%も優秀な人はいないだろう。
つまり、どれだけ優秀な人が政治に参加しようが、より圧倒的多数のあまり優秀でない人々がいる限り、現実は良い方向にはいかないということをこの本は訴えている。
これを避けるひとつの戦略として「くじ引き民主主義」という言葉も出てきたが、著者はその選択はせず、「ナッジ」のように、より高度に洗練・設計されたシステムに賭ける。
しかし理性偏重の社会設計もどうなのかと自分には思われる。
やや見通しの甘さを感じる。理性には限界があることを、歴史は何度も証明しているように思われるからである。
だから自分は再度『啓蒙の弁証法』を読むことにしている。