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読書日記567

             綿野恵太『みんな政治でバカになる』晶文社(2021)

■株式会社晶文社

公式HP:https://www.shobunsha.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://x.com/shobunsha?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor


読書日記567は不本意ながら、ブログ内での誤操作(記事を修正しているときに、空白の状態で更新してしまった)で完全に消えてしまった。

 

空白のままこの記事を公開するのも悲しいので、2024年5月27日現在、この本に思うことを少しだけ書いてみようと思う。

「みんな政治でバカになる」のタイトルには少なくも二つの主旨がある。

・挑発的なタイトルのほうが本を手に取ってもらえるという、著者の思惑、背景がある

・より正確には、政治というシステムのなかでは「三人寄れば文殊の知恵」の逆の現象が起きる

  

49%が優秀で、51%があまり優秀でない社会の場合、後者が票をより集めるので結果的に政治は悪い方向へと向かう。

実際には49%も優秀な人はいないだろう。

つまり、どれだけ優秀な人が政治に参加しようが、より圧倒的多数のあまり優秀でない人々がいる限り、現実は良い方向にはいかないということをこの本は訴えている。

  

これを避けるひとつの戦略として「くじ引き民主主義」という言葉も出てきたが、著者はその選択はせず、「ナッジ」のように、より高度に洗練・設計されたシステムに賭ける。

  

しかし理性偏重の社会設計もどうなのかと自分には思われる。

やや見通しの甘さを感じる。理性には限界があることを、歴史は何度も証明しているように思われるからである。

だから自分は再度『啓蒙の弁証法』を読むことにしている。

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