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読書日記575

ジョセフ・ヒース/アンドルー・ポター『反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる』ハヤカワ文庫(2021)

■株式会社早川書房

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日記

通時的に政治と資本主義をめぐる人間の心理を描く面白い本を見つけた。

まずは100ページほど読んでみた。

ナチズム、メディア、カウンターカルチャー、オルタナ右翼、フロイトの精神分析と、いろいろな概念や用語が出てきた。

フロイトの理論は非科学的ではあるが、著者は、この理論は社会と人間心理を説明するには十分に説得力を持っていると見ている。

超自我(スーパーエゴ)という言葉がある。(イドと同様に無意識)

イドは無意識的な欲望、自我(エゴ)はそれを抑える理性として位置付けられる。

今日個人的にした解釈としては、スーパーエゴは社会的価値観を内包する無意識であるということである。

原始状態の社会においては超自我は存在していなかったが、社会というシステムによって人間はあらゆる抑圧を受ける。

超自我が機能しきらなくなると人は「神経症」にかかる。

臨床心理学の教科書では超自我と社会との関連についてあまり詳しく書かれていなかったのでこれは遅ればせながら新しい発見であった。

フロイトも社会心理学のような分野をしっかりと分析していたではないか、と思った。

本書は個人的にかなり面白い。

公開日2022/8/5

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