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読書日記630

          テリー・イーグルトン『文化と神の死』青土社(2021)

■株式会社青土社

公式HP:http://www.seidosha.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/seidosha?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

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メモ

なし

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日記

50ページ弱読み進めた。

序盤は宗教と思想の観点から啓蒙について語られた。

内容は重厚であり、何回も読み込まなければ理解は到底不可能だと感じた。

面白い点を挙げるならば、非常に広範囲にわたり、(ヒューム、カント、ニーチェ、ヴォルテ-ル、スピノザ、、、、)啓蒙の歴史を統括し、まとめあげるような本であった。

書店に行くとどうしてもジャンル分けされていて「断片的」な知識しか身に付かないが、こちらは編集的な本である。

イーグルトンは2021年現在、アカデミックの世界(ランカスター大学教授)において現役で活躍している文化理論家という肩書きであった。

今まで読んだ本のなかでは、ここまで(つまりはイーグルトン並みに)細かい各人の思想を網羅している人はなかなか見ない。

本書を読んでいるとアメリカの大学で講義を受けている気分になる。

1ページ1ページの内容が非常に濃い。

その点、理解するのが難しい所以である。

読み通すのは骨が折れる。

宗教と政治の絡み合いについて勉強してみたい方は、本書を読むことでなんらかのヒントを掴めると感じている。

つづく

【2024年現在の追記・補足】

モリス・バーマン『デカルトからベイトソンへ』に言わせれば、近代とともに「参加しない意識」から「参加する意識」へと移行するにつれ、つまり宗教の衰退とともに社会の様式が合理性、客観性を帯びるようになり、その弊害は「統合失調症患者の増加」や「官僚制の強化による人間の機械化(ウェーバー)」ような事例などに現われてくる。

この流れとともに「宗教のようなもの」、つまり「ロマン主義」や「啓蒙」がそれに置き換わっていく。

ざっくりとまとめるならば本書はその歴史的な流れを追っていく内容となっている。


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