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読書日記636

城所岩生『著作権法がソーシャルメディアを殺す』PHP新書(2013)

■株式会社PHP研究所

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メモ

SOCA・・・オンライン海賊防止法案

PIPA  ・・・知的財産保護法案

ACTA・・・模倣品・海賊版拡散防止条約

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日記

善かれ悪しかれ、人間のあらゆる活動において「法律」は監視をしている。

田口久美子氏は『書店不屈宣言』において、出版に関する法律を問いかけた。(つまりはAmazonの独占状態に関して)

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/06/01/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98627/

  

本は文化の発信地である、というのは某大型書店のサイトに書かれている。

ところが、「文化とはそもそもなにか」という問いには、必然的に「法律」が付随するものである。

そのひとつが著作権である。

田口氏は「文化とは無駄と無理の果てにあるもの」と書いていた。

・・・

本書は端的に著作権のあり方を問うものとなっている。

だいぶ前に書かれたものであるが(2013年)、当時は違法ダウンロードの刑罰化についていろいろとネットでは話題になったものであった。

例えば本書では、国によっては私的利用のためであればダウンロードを合法化とした国が挙げられ(スイス、オランダ)、むしろ経済効果をもたらすという逆説があることが分かった。

他国と比べ日本の著作権は厳しい傾向にあるという。

それはつまり、政治家が権利団体との間になんらかの利害関係にあるからであった。

例えば、審議会の構成メンバーは利益者の代表らが過半数を占め、議論をせずとも既に結論が決まっている節があることなどが書かれていた。

ここまで読み、権力や政治家に対しては不快そのものであったが、法のあり方や著作権のあり方、そして公益や文化についてはあまりにも複雑化していることは否めない。

個人的に問題として見ているのは、やはりAmazonという巨大な権威に対して出版業界はどういう態度であるべきかと問うことである。

つづく

公開日2022/8/27

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