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読書日記655

      池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞社(2014)

■毎日新聞出版株式会社

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公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/mai_shuppan

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日記

「そうまでして、そうするべきか」

池田氏はテクノロジーの進歩について語る。

「伝えるべき内容は発達せずに、伝える手段だけが発達している」

LINEでは無内容のやりとりが多いのは疑い無い。

その証拠としては、LINEスタンプが豊富にあることが裏付けている。

ここを読み、物質の進歩の加速度が精神の進歩のそれを遥かに上回っているように感じた。

KDDIの通信障害のもと、人々は無力であった。

病棟で働いていた経験があるので私は容易に察しがついた。

院内では事務、看護師、医師が業務用の携帯電話を持っている。

重要な連絡は往々にして携帯電話で行われていた。

致命的な被害はなかったにせよ、ヒヤリハットの法則のように、次は命が失われかねない。

ここに精神と物質の剥離が伺えた。

結局のところ、テクノロジーが発達したところで、その利益を享受できたかに思えた影に、様々なリスクや爆弾を抱えているわけである。

これは妄想ではない。

事実である。

公開日2022/9/4

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