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読書日記664

ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症』河出文庫(2006)

■株式会社河出書房新社

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日記

本書は金沢大学の仲正昌樹教授がその解説書を出している。『ドゥルーズ+ガタリ<アンチ・オイディプス>入門講義』(作品社)

そちらも多少読んだがそもそも思想書は様々な解釈ができるということで、個人的に軽く読んでみた。

まず、個人としてはプラトン(=ソクラテス)が最も哲学史上、卓越した存在であり天才であると感じている。

この件に関しては池田晶子氏もそのような主旨で書いている。

また、哲学者ホワイトヘッドは、西洋哲学はプラトンの注釈にすぎないと述べた。

このことを鑑みると真の意味で難解な本というものは理数系の分野に限られると思われるのである。

難しく考えることはない。

敢えて本書は単純明快な本だ、そう割りきってもいいではないか。

・・・

前置きはこのくらいにしてわずか50ページ弱の読書ではあるものの、内容について軽く感想を書きたい。

本書のタイトルはまさしく「アンチオイディプス」である。

的はずれは承知であるが私は「アンチアニミズム」として読んでみることにしている。

人間の欲望や身体的機能を資本主義の原理に倒置している。

例えば「生産の生産」と細胞分裂が等価に見えるのである。

「消費」はエネルギーの消耗であるだろう。

人間は自己保存本能から栄養分を絶えず補給し続ける。

この原理が生産の生産、つまりは「自己保存=ホメオスタシス」なのである。

専門家は「そうではない」と言うかもしれないが、私はそのように本書を読んでいく。

以上から資本主義は人間の本能、機能と「相似」しているが故に親和性が高く、すぐに崩壊してしまった共産主義とは違い、なかなか終わりが見えないのだろう。

つづく

公開日2022/9/9

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