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読書日記665

   岡本太郎『新装版 自分の中に毒を持て』青春文庫(2017)

■株式会社青春出版社

公式HP:https://www.seishun.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/Seishun_pub?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

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日記

絶対に手放したくない愛読書のひとつである。

この人はただのおじさんではない。

岡本太郎は、芸術家になる前は哲学、社会学、民族学などをフランスのソルボンヌ大学で学んでいた。

戦争も体験している。

また、死後も依然として思想界で名を馳せていて、今日でも新しい研究書や新訳が出るジョルジュ・バタイユとも友人であった。

本書は繰り返し何度も読んでいる。

今日も読んだ。

そしてひとつ気がついた。

本書の「芸術」という言葉を「人生」に変えても意味が伝わることに。

芸術は爆発だ=人生は爆発だ

(岡本太郎の言う爆発とはわき上がる情熱のようなものである。宮台真司用語でいう内発性である。)

岡本太郎の芸術三原則

芸術はきれいであってはならない、うまくあってはならない、心地よくあってはいけない、もしかり。

人生がうまくいくのは結構じゃないか、という反論が返ってくるかもしれない。

それは「世渡り」である。

本書の文脈では、人生をうまく生きるということは世渡り上手のことをさしている。

縄文土器と弥生土器の違いを比べれば一目瞭然である。

前者が人間らしい生あるもの、後者はそうではないもの。

現代は弥生土器の延長線上にある。

大学院でベルグソンを研究した知り合いいわく、ハイデガーが着目した点は、こういった存在と精神性についてなのだという。

岡本太郎はただの芸術家ではない。

一方では哲学者でもある。

公開日2022/9/9

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