■株式会社青春出版社
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日記
絶対に手放したくない愛読書のひとつである。
この人はただのおじさんではない。
岡本太郎は、芸術家になる前は哲学、社会学、民族学などをフランスのソルボンヌ大学で学んでいた。
戦争も体験している。
また、死後も依然として思想界で名を馳せていて、今日でも新しい研究書や新訳が出るジョルジュ・バタイユとも友人であった。
本書は繰り返し何度も読んでいる。
今日も読んだ。
そしてひとつ気がついた。
本書の「芸術」という言葉を「人生」に変えても意味が伝わることに。
芸術は爆発だ=人生は爆発だ
(岡本太郎の言う爆発とはわき上がる情熱のようなものである。宮台真司用語でいう内発性である。)
岡本太郎の芸術三原則
芸術はきれいであってはならない、うまくあってはならない、心地よくあってはいけない、もしかり。
人生がうまくいくのは結構じゃないか、という反論が返ってくるかもしれない。
それは「世渡り」である。
本書の文脈では、人生をうまく生きるということは世渡り上手のことをさしている。
縄文土器と弥生土器の違いを比べれば一目瞭然である。
前者が人間らしい生あるもの、後者はそうではないもの。
現代は弥生土器の延長線上にある。
大学院でベルグソンを研究した知り合いいわく、ハイデガーが着目した点は、こういった存在と精神性についてなのだという。
岡本太郎はただの芸術家ではない。
一方では哲学者でもある。
公開日2022/9/9