■株式会社堀之内出版
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■株式会社青土社
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メモ
『文化と神の死』
”<文化>は、<神>を意味する世俗の名称である。もし文化が社会的に救済をもたらすものとなりうるなら、文化は破壊行為の領域に移行せねばならない。” P121
“シラーの眼では、美的なものの無用さは、その評判の悪さの証しではなく光栄の証なのだ。「美」は、と彼は主張する、「理解力に対しても意志に対しても、いかなる個別の結果も生むことはない。それはいかなる個別の目的も、知的目的であれ道徳的目的であれ、達成することもない。それはいかなる個々の真実も発見しないし、私たちが個々の義務をはたすときの手助けにもならない。要は、それは理解力の啓発にとって不適格であるのはもちろんのこと、なんらかの性格の堅固な基盤を提供することにかんしても不適格なのである」と。” P122
日記
今日、「日本を良い方向に」という文脈における「良い」とは何を意味するのか。
なんとなく、経済が成長して、子どもが増え、福祉が充実、医療も充実、みんなが暮らしやすい社会という漠然としたイメージはなくもない。
ところがどっこい、どこか受け身の匂いがする。どことなく人々が感じている、もしくは思っている無力感がこのイメージにそつなく反映されている気がしなくもない。
要するに「結果」の話しか持ち込まれていないのである。
口だけならなんとでも言える。しかも結果すら、曖昧なままにとどまっている。
具体性のかけらもない。これは『資本主義リアリズム』に書かれている、「インターパッシビティ(相互受動性」)」に通ずるものを感じさせる。
Twitter、インスタ、その他SNS、Youtube、ネット配信動画、ネットニュース、アプリetc.
生活空間は情報が常に更新されつづける「フロー」のなかに組み込まれている。
国民の全体的な政治に対する関心のなさ(投票率が低いことを鑑みて)は、無気力という言葉(アパシー)では説明がつかず、むしろ情報(物理的な視覚情報なども含む)を浴びせられ続けている現代社会の、抑圧的な情報の釜(つねに情報によって人々を押さえつけているイメージ)によるものも多少はあるのかもしれないと思えた。
例え文化が、芸術が、音楽が神の代替となったとしても、注意経済の力学によって文化的な遺産が価格という物差しによってモノ化される(資本主義に回収されてしまう)ような、そのような未来しか見えない。
本書によればイギリス、アメリカ、日本では精神疾患が増え続けているらしい。
それがネオリベによるものだというのが通説的なものとなっているが、ヨーロッパもアジアも似たような現象が起きているのが興味深い。