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読書日記683

ハンス・ブルーメンベルク『メタファー学のパラダイム』法政大学出版局(2022)

■一般財団法人 法政大学出版局

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メモ

プラトン「修辞学は哲学よりも劣る」

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日記

メタファーは真理を語らない

ドイツの詩人であり批評家であったレッシングはそのように断言した。

今日、言葉は無力である。

無力であるどころか、凶器にもなっている。

言葉の無価値性は何によるのか。

そこを考えたい。

・・・

メタファーとアナロジーの違い

『メタファー思考』によれば、メタファーは「点」であり、アナロジーは「面」なのだという。

メタファーは言い換えのようなものである。

ドイツの作家、ジャン・パウルは世界について、「いまだみえざる分母のための分子と表現した。

式で表すことができる。

「世界=いまだみえざる分母のための分子」

一方、アナロジーとは言い換えるための材料、つまり対象が複数必要である。

よく、就職は結婚と置き換えられる。

企業を見定める=結婚相手を見定める

面接=お見合い

という具合に、等式が複数成り立つような関係性のことをさす。

この点においてアナロジーとメタファーは異なるのである。

人は日常的にメタファーを使用している

『メタファー思考』には日常的にメタファーが使われている例が載っている。

電車に乗る⇒その計画に乗る

液体で満ちている⇒私はエネルギーで満ちている

別言すれば、メタファーなしに会話が成り立たないこともあり得る。

それほどメタファーと生活には親和性がある。

言語の可塑性

流行語、若者言葉、ビジネス用語。

言葉はつねに流動的で変形していくものである。

そして、その使用方法も多岐に渡る。

メタファーもアナロジーもその一部にすぎない。

私たちは言葉を安易に使用過ぎるのではないだろうか。

車で例えるならば、免許のようなものが必要だ。

いや、そこまでの規制は要らないにせよ(言論の統制はあってはならない)、言葉の凶器性に関してはやはり軽視されている気がしてならない。

過去の哲学者が述べた通り、真理に力がないのはおよそ間違いではなさそうだ。

私たち存在そのものが真理であり、真理とは残酷なものであるかもしれない。

しかしそれでいいのだろうか。

科学は自然の営みを探求するものである。

人間が自然に追い付こうとする野心は否定しない。

だが、自然を模倣するだけが進歩なのだろうか。

公開日2022/9/20

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