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読書日記689

モリス・バーマン『デカルトからベイトソンへ ――世界の再魔術化』文藝春秋(2019)

■株式会社文藝春秋

公式HP:https://www.bunshun.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/bungeishunju

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メモ

フーコー「占いは知の体系と張り合うものではなく、知の体系に組み込まれたものである」

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日記

本書はいろいろな読み方ができる。

科学哲学の入門書として、ベイトソンの入門書として、科学史の入門書として等。

個人的には精神疾患と結びつけて読んでいる。

・・・

本書によれば、西洋世界においてはプラトンの時期にアニミズムの排除が始まったとされる。

ユダヤ教においても、神ヤーウェが次のように言っている。

“「汝我面の前に我の外何物をも神とすべからず」”P78

デカルト、ニュートン、ガリレオの共通点は主体と客体の分離である。

(本書では「参加しない意識」と呼ぶ。)

端的に言えば、宇宙は機械的に無目的に運動を続けているという捉え方である。

(目的なき有機体)

このブログで何回も書いているが、人生には意味がない、というのは要するに何も目的のない世界(客体)に置かれた自分(主体)という見方の帰結だ。

この捉え方に「主体ー客体」の分離が見てとれる。

著者はゲシュタルト心理に依拠しながら、ここまでの歴史の流れを振り返り、ただの流動的なものであり、局所的な事物しか捉えられていないのではないかと問題提起を行う。

自然を支配しようとする科学と結びついた資本主義経済の帰結はいかに。

科学が見逃している何か重要な事柄があるのではないか、そのような態度を感じた。

例えば、絶対的な真理がないとすれば相対主義に陥り、全てが「真」となると述べる。

次に話はオカルトへと迂回し、錬金術と占いの根本原理は「相似」にあるという話に展開していく。

つづく

公開日2022/9/24

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