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読書日記690

カート・ヴォネガット『読者に憐れみを ヴォネガットが教える「書くことについて」』フィルムアート社(2022)

■株式会社フィルムアート社

公式HP:https://www.filmart.co.jp/

公式X(旧 Twitter ):https://x.com/filmartsha?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

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メモ

”ヴォネガットは人々や問題に対して強い思いを持つことが作家の原動力であるべきだと堅く信じていた。” P83

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日記

前から多少気になっていた本である。

彼の作品『スローターハウス5』は、地元の本屋のハヤカワ文庫コーナーに置いてあった。

初版が1979年と書いてあったので、広い世代から読まれているのだろうと思った。

・・・

本書を読むと、ヴォネガット氏が若い頃、父と兄がテクノロジーの信奉者であり、科学が進歩していくことで世界は作り変えられていくと信じていたそうである。

また、著者も影響されていて科学の力を信じていた。

ところが広島に人類史上初めて核爆弾が落ちてしまう。

それが真理だと悟る。

そしてヴォネガット氏は科学に幻滅したと書かれている。

また、人間社会には不適合者が一定数いなければならないと語る。

書くことの原動力は何事も情熱が先行する。その思いが伝わった。

それは第二次世界大戦のドレスデン爆撃を実際に体験したことが大きいのだろうと思われる。

(『スローターハウス5』はその自伝的小説となっている。)

人は固有の使命を持っている。

小説や芸術に限らず、何事も情熱が大事だということを再認識した。

上手だろうが下手だろうが、とにかく書くことが大事だと述べていた。

自分も情熱のつづく限り書きつづけたいと思った。

公開日2022/9/24

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