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読書日記700

ノーバート・ウィーナー『ウィーナー サイバネティックス――動物と機械における制御と通信』岩波文庫(2011)

■株式会社岩波書店

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  モリス・バーマン『デカルトからベイトソンへ ――世界の再魔術化』文藝春秋(2019)

■株式会社文藝春秋

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       マイケル ポランニー『暗黙知の次元』ちくま学芸文庫(2003)

■株式会社筑摩書房

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日記

『デカルトからベイトソンへ』の第八章以降は、いよいよまとめに入りこれまで論じられた事が立体的に組み上げられていく。

今日の夜はさすがにもう集中力が残っておらず、何について論じているのかを把握するだけで精一杯であった。

八章以降の重要な概念はサイバネティックスの理論と暗黙知である。

(その他にも様々な概念の理解が必要とされる。)

この二つは文庫本であり比較的安いことから入手しやすくとりあえず軽く読んでみた。

自分のレベルではサイバネティックスを理解することはほぼ不可能だと自覚しているので、ヒントを掴めたら売ってしまおうと思っている。

ポランニーの本はゲシュタルト心理学、物理、化学を横断する内容となっており、こちらもある程度ヒントを掴めたら売ってしまおうと思っている。

正直、どちらも読んでいて難しい。

・・・

しかしながら去年と違う点は、これらの本を別の本と比較しながら編集的に読書できた点にあると考えている。また、知の連関を去年以上に強く意識できたように思う。

例えばユング心理学の核には錬金術があり、これはある側面においては非科学的でもあり、興味の対象外であった。

ところが錬金術は「参加する意識」を前提とした営みであったことが分かったので、少なくとも単にオカルトだからといって学ぶ意義を否定すべきではない。

また、ドミノ倒しのように次は人類学の領域にも興味を持つことができた。

岡本太郎が言っていたことが線としてつながった。

縄文土器と弥生土器の変化について、生物学や哲学はどのように解釈できるだろうか。

それが『デカルトからベイトソンへ』の大きなテーマとなっていること、それが去年の時点ではさっぱり分かっていなかった。手前味噌ではあるが、ここにひとつの進歩を認めてあげたい。

結局のところ、無駄な勉強はない。

限りある時間のなかでできることは限られている。

それでもフランクルの書いた本の内容を再度確認したい。

外部的な出来事が個人の人生における意味の実現を先送りにすることはあるが、それが実現を妨げることはできない。(意訳)

何を無駄とみなし、何を意義あるものとみなすのか。

これは価値判断のひとつである。

しかし、デカルト的世界観のなかでは事実/価値は二分してしまっている。

事実から価値を判定することはできない。

価値は個人で見出していかなければならないと思う。

公開日2022/10/1

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