■株式会社河出書房新社
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日記
ミシェル・ウエルベックの本を読む。
来月また彼の本が出るということで密かに楽しみにしている。
と言いつつも『セロトニン』は挫折してしまい売ってしまった。
今度こそは、と思いながらも気長に読み進めた。
資本主義下の性と愛、人生になぜ熱くなれないのか、そんなテーマに共鳴した。
・・・
タイに行った人から聞いたのは、とにかく太陽が赤いという話である。
そして本書にも太陽について触れられていた。
「みんな太陽を求めているのです」
自分もいつかは見てみたいと思う。
・・・
そんな美しいタイの裏の側面に「搾取」がある。
言うなれば、現代の奴隷制度である。
ここがメインのテーマであるように思われる。
ところどころレイシズムについて語られたり、なにかと人類全般の普遍的な物事について考えさせられる小説である。
著者ミシェル・ウエルベックの紹介の欄に、「人間の矛盾を真正面から描きつづける」と書いてある。
個人的に、文学はそんな矛盾と向き合うべきであるうえ、そうでなければ逆にどういうものなのかとすら思うところである。
つづく
公開日2022/10/5