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読書日記740

        箭内匡『イメージの人類学』せりか書房(2018)

株式会社せりか書房

公式HP:https://www.serica.co.jp

公式X(旧 Twitter ):不明

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つづきをよみすすめた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/06/13/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98738/

  

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日記

もう一度最初の章を振り返ってから読み進めた。

「イメージ」とは脳のなかで再生されるものである。

音楽は「脳内再生」とも言うように、イメージとして脳で再生することができる。

好きな人の顔を思い浮かべることもできる。

匂い、触覚。つまり脳内で想起される五感のことをイメージという。

・・・

著者はヤコブソン、チョムスキーなどの仕事を振り返り、ある研究結果について語る。

よく知られるように、アメリカ英語は「r」をしっかりと発音し、イギリス英語ではほぼ省略される。

例えば車を意味する[car]を発音してもらえば聞き分けることが可能である。

著者によれば、歴史的にrを発音するか否かで社会的階層の位置がわかった時があったのだそうである。

そして百貨店で実験がなされた。

四階に婦人服売場があるので、婦人服売場の階を店員に尋ねる。

「婦人服は何回ですか?」

「Fourth Floor」

ここでrを言うかどうかを、マンハッタンの三つの百貨店でも同様に行ったのだそうである。

結論として、高級売場であるほど店員はrを発音する頻度が高かった。

ところが、食品売場ではrが発音される頻度が低いとわかった。

これが意味するところは、店員は同じ社会階級であることはあらかじめ分かっていたそうなので、rと社会階級の密接な関係性である。

著者はフーコーやドゥルーズを想起させる「ミクロ政治学的」であると述べた。

・・・

イメージにも階層があり、段階を経て再構築されていくことを著者は明かそうとしている。

これが本質的な説明原理となるのか分からないが、最後まで読み通したい。

つづく

公開日2022/10/15

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