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読書日記762

        小林秀雄『直観を磨くもの: 小林秀雄対話集』新潮文庫(2013)

■株式会社新潮社

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つづきをよみすすめた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/06/15/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98755/

 

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日記

物理学者、湯川秀樹との対談がつづく。

原爆の話に移った。

例えば、原爆は1gの物質のわずか1~0.1%程度のエネルギーしか取り出せていないという、ショッキングな事が語られた。

原理的に質量の100%をエネルギーに変換できるかどうかは、1948年(対談当時)の段階では不明であるということであった。

・・・

ウランやプルトニウムに関しては専門的な話になるので、敢えて不安定であると言っておきましょう、という体で話が進む。

自然が持つ神がかった秩序を思わせる内容であった。

原爆のような破壊的な爆発が自然界に(少なくとも地球においては)無いという点、しかし太陽のエネルギーは核融合によるもので、人類はある側面では核によって支えられているという矛盾のようなものを思わせる。

・・・

後半では法則と信仰というテーマに移った。

実証主義は自然のメカニズムを明らかにしつつあったが、人間のことについては全く触れられていなかったことに人類のミスがあった。

近代合理主義の短所として、定量化にこだわりすぎてもっと大切なことを忘れているのではないか、ということである。

そのひとつに信仰というものがある。

何回も書いているが、これは今日の問題ある宗教を肯定するものではない。

命を救うことは何も医者だけの専売特許ではない。

社会的、歴史的な思考から今日のやや増加傾向に見える自殺者数の問題なり、時代の閉塞感なりを突破する試みは可能なはずである。

公開日2022/10/19

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