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日記
生活、戦争、生死について池田晶子が語る。
ハッとしたフレーズがあったので書き残すことにした。
人々は戦争体験を普遍性のある形式のもとに対象化するのではなく、特殊化しているのだ、といった主旨であった。
各々の経験が「思い出」のように凝固し、それが特殊性を帯びる。
世代論のテーマについて語り始めたとき、池田晶子は「オウム世代」と呼ばれることに苛立ったのだろう。
世代論、つまりある一定の年齢層を括弧でくくることに意味はない。
むしろ有害だろう。だからこそ書かずにはいられなかったように思う。
「○○世代は戦争を知らない」というフレーズへの抵抗であった。
受動的なものを自分で勝手に特殊化して語るな、という怒りを秘めていた。
生死は戦争の時代に関係なく人間にとって不変かつ普遍的な事である。
そして今日、生死が先行している事を見事に忘れ生活が現実だと思っている。
現代人のニヒリズムは死を忘れているから起こるという、なんとも逆説めいて奇妙だと感じた。
公開日2022/10/20