■株式会社新潮社
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日記
小林秀雄の文章は端的に難しい。
本書の最後、「小林秀雄君のこと」というページに深田久弥という人物も難解であるとハッキリ書いてあった。
それでも、小林秀雄の問題意識をさぐるべく食らいついた。
わずかに読み取れたものがあった。
何よりも行動の源泉を情熱(小林秀雄は熱情と書いている。)、主観的な力を重視している点にある。
端的に、文学は理屈を超えた世界で成り立っている。そのように感じる。
そう感じた理由として、社会科学という武器を利用して批評を行っている者に対する小林秀雄の批判である。
おそらくではあるが、文学作品というものを作品、客観的な物体として捉えてるいる態度に対する批判である。
有り体に言えば、文学作品は「精神の結晶化」のようなものであり、社会科学的な技法を使ったところで何も語ったことにはならない、そのような主旨だと個人的には解釈した。
「お前らとは覚悟が違う」と言いはなった小林秀雄は、文学、芸術、芸術家に対する愛が誰よりも強かったのかもしれない。
読んでいるこちらとしても、怒りのようなものを感じる。
公開日2022/10/20