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読書日記769

           箭内匡『イメージの人類学』せりか書房(2018)

株式会社せりか書房

公式HP:https://www.serica.co.jp

公式X(旧 Twitter ):不明

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つづきをよみすすめた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/06/17/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98765/

   

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日記

デスコラという人物が『自然と文化を超えて』のなかで見出した事物の照応関係を「アナロジスム」と呼んだ。

著者はこれまで論じてきたディナミズム、アニミズム、アナロジスムの三つをまとめあげる。

・・・

個人的にはやや期待はずれの内容でもあった。

自然のもつ「力」の大小がパナマの農民の経済的な価値と照応している、つまりアナロジスムであることは理解できたものの、依然としてバンド、部族、民族、国家の四つのタイプの相似性、構造について詳しく記述されてはいなかった。

読み手としてはやや消化不良に終わったような印象である。

・・・

とは言いながらも、モリス・バーマンのいう「魔術」が溶けていく過程を自分の頭のなかでイメージする材料は、部分的には得られたように思う。

レンズというものが写し出す像について、当初は「真実ではない」といった認識がまだあったが、印刷術の発達により知識が普及し、徐々に人々の認識がかわっていった。

また、レヴィ=ストロースの記述によれば、神話は二つの形態に引き継がれるようになった。

神話の意味が「音楽」に代わり、意味の語りは「小説」へと引き継がれていく。

かくして世界の魔術化が溶けていくのであった。

長ったらしい本書もいよいよ最終章に近づく。

返却期限に間に合いそうでホッとしている。

つづく

公開日2022/10/20

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