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つづきをよみおえた。
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感想
最終章は今までの総まとめのようなもので、『超葉隠論』と内容が被るものもあった。
先にそちらのほうを読んでおいたので理解しやすい講演であった。
・・・
執行草舟氏の主張とモリス・バーマンの主張に類似点を見出せた。
デカルト以後、人々の信仰心はほぼ消え失せ「死生観」を失った。
個人的には以下のように解釈した。
生のない死はない。
死のない生はない。
しかし、現代社会のヒューマニズムは生きることそのものが素晴らしいという在り方に変容した。
これは信仰の消失によるものが大きい。
その昔、青春時代の苦悩は死に対する苦悩であったと執行草舟氏は語る。
死に方を定めなければ本当の意味で生を生きることはできない。
大局的にみれば、これらのことはアメリカを中心に展開される経済活動の原理に還元される。
3S政策の延長線上に我々はいるということである。
このことは極左の立場に立つ秋嶋亮氏や内海聡氏が各々の著書で詳しく論じているので特段新しい発見ではないが、執行草舟氏の幅広く、かつ深い領域にまで到達している教養には驚嘆せざるを得なかった。
個人的に本書で吸収したこと、それは、20代の頃に理解不可能であったこと、すなわち苦悩を通してでしか到達し得ない価値、生の在り方に対する態度、認識というものを再度内省する機会を得られたことであった。
公開日2022/10/25
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