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つづきをよみすすめた。
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日記
塵も積もれば山となる。
本書も最終章の手前、657ページまで読み終えた。
執行草舟氏は仕事と人生について語った。
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多岐にわたって仕事と人生をめぐる話が展開されたが、自分で重要だと感じたことはただひとつである。
会社員であればどんなに嫌なことがあってもお金を貰っている以上、忠誠であれ。それが嫌なら辞めて一人で仕事をしろ、というものであった。
例えばマスメディア関係の仕事をしている人が質問の時間の際、仕事に対する批判精神と忠誠心の両立について執行草舟氏に問うたが、会社員でいる以上、抵抗はせずに黙って仕事をこなせ、嫌なら辞めて一人で仕事をしろという具合であった。
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ここまでの内容は単なる自己啓発と変わらない。
執行草舟氏の際立つところは、話の根拠が歴史、科学、文学、古典、自身の体験に基づいているところである。
本書では現代の文明に対する批判が多く語られる。
この本の魅力は、単なる個人的な思想ではなく執行草舟氏の大局観にあると感じている。
そこがある意味詐欺でもある自己啓発と大きく異なる点である。
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現代文明は負の遺産を多く排出してしまった。
執行草舟氏があげたのは核兵器、放射線汚染物質、プラスチック、添加物である。
人工的な物質は自然へ帰るスピードが著しく遅く、もはや還元不可能とすら言える。
これを語り出すと止まらないので簡単に執行草舟氏の話を咀嚼すると、文化は文明に先行していて、現代はその文化が廃れていることにある。
裏を返せば、武士道のように生き、文化を再生させることができれば文明もよくなるという筋であるが、もはや手遅れなのであとは一人一人が生命を燃焼させていくしかないという結論であった。
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本書は差別的な内容を多く含むので、かなりの部分を割愛せざるを得なかったが、世の中がいかに不合理であるのか、それらをメタレベルで考える必要性、歴史から帰納的に考える必要性、また、古典を読む価値についてよく理解できたように思う。
公開日2022/10/24