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新・読書日記80

          斎藤環『映画のまさざし転移』青土社(2023)

■株式会社青土社

公式HP:http://www.seidosha.co.jp/

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  ショーペンハウアー『意志と表象としての世界Ⅰ』中公クラシック(2004)

■株式会社中央公論新社

公式HP:https://www.chuko.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/chuko_bunko?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

           望月清文『生命 科学の忘れもの』水曜社(2023)

■株式会社水曜社

公式HP:https://suiyosha.hondana.jp/

公式X(旧 Twitter ):https://x.com/suiyosha?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

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日記
 

斎藤環氏は精神科医だから暖かい言葉をかけるのか、それとも暖かい言葉を言えるから精神科医になったのか。

「自立は依存していることを忘れるほどに依存している状態」という言葉や、「自立とは甘え上手になること」という言葉は、「燃え尽き症候群」に陥る人と対照的な状況に思えた。

昔読んだ自己啓発の本に、典型的な、外資系コンサル会社でバリバリ働いていたが、ある日突然動けなくなった、といった話があった。

自分で何もかもこなす。これは、ある意味不器用で、本当に優秀な人は自分で頑張りすぎない人というイメージがなんとなくある。

  

昔何回もブログで批判した記憶があるが、「自己責任」という言葉は、改めて振り返ると本当にいろんな意味で突っ込みどころのある言葉だったなと、そう思えた。

ひとつだけ紹介したいのは、環境による決定論である。

遺伝子が先か、環境が先か、論争は終わらないが、自分は環境のほうが比重が大きいのではないかと観ている。

  

・・・

『生命 科学の忘れもの』では、科学の限界点を突いていく面白い本だ。

ショーペンハウアーの本を読んでいるときに意識が吹っ飛んでしまい、カフェであまり読書ができず今日も帰宅後に少し読んだだけにとどまった。

光に心は宿るという、ややオカルトめいた話でもあるが、科学の観測データでは5万年前に起こった文化的爆発を説明できない。

ダーウィンの進化論で説明できないこともある。読めば読むほど、科学は科学自身によってその限界を明らかにしているようにも思える。腸と脳の相関(腸脳相関)についても近年ようやく研究で判明したというくらいである。

ほかにも無数に捉えられない現象があると思われる。

裏を返せば、まだまだ知らないことが沢山あり、本の読みがいがある日々を送れるということでもある。

つづく

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